覆される常識

寿司と言えば、今思えばいなり寿司のみを指す言葉でした。
サラダと言えば、今思えばポテトサラダのみを指す言葉でした。
そぼろと言えば、今思えば桜でんぶのみを指す言葉でした。
なますと言えば、今思えば大根おろしのみを指す言葉でした。
ラーメンと言えば、今思えばインスタントラーメン(特にサッポロ一番味噌ラーメン)のみを指す言葉でした。
「出かけて食べに行くところ」といえば、南部屋敷(東北限定の田舎風ファミレスかな)のみを指す言葉でした。

例:

母:「お昼は寿司だよ〜」→出てくるのはいなり寿司。決してにぎり寿司ではない。
母:「なますはちゃんと食べなさい!」→目の前にあるのは大根おろし。決して千切りされた大根ではない。
母:「おかずはサラダだよ〜」→ご飯に添えられるのはポテトサラダ。決してレタスにドレッシングがかかったものではない。
母:「そぼろ買ってきて〜」→私は桜でんぶを買っていました。決して肉そぼろではない。

私は幼少時代、相当の田舎で育ち、寿司、サラダ、そぼろ、なます、ラーメンなど、一般的な名刺でありながら特定の食べ物を指すことが多かったような気がします。
大学に出て、初めて私の言葉の使い方が通用しないことを知りました。
村社会とはそういうところであり、外に出れば常識は覆されます。