YTaskMgr

WindowsMobileはご存じの通り、標準では、立ち上げたアプリケーションを終了させたり、すでに起動しているがバックグラウンドに回っているアプリケーションをフォアグランドに回す(アクティベートする)機能が、意図的にわかりにくいところに表示されます。
具体的には、
スタート-設定-システム-メモリ-実行中のプログラム
にありますが、深いですね。
マイクロソフト社は意図的にこの機能へのアクセスをわかりにくくしているのだと思います。
マイクロソフト社のこのポリシーは、WindowsMobileの前身のPocketPC,そのまた前のPalm-sized PCの頃から、一貫しています。
これは、単なる推測でしかないんですが、マイクロソフト社は、WindowsCEで、PalmOSを作りたかったんじゃないかと思います。
PalmOSでのアプリケーションの扱いは、かなり荒く(本当に荒く)言えば、次のような感じじゃないかと思います。

・アプリケーションのインストールは実行メモリへの展開
・アプリケーションの起動は展開された実行メモリアドレスへのジャンプ
・アプリケーションの切り替えはやはり展開された実行メモリアドレスへのジャンプ

このため、PalmOSにおいて、アプリケーション操作のGUIは、基本は次の通りだったような気がします。

・アプリケーションの起動は、Applicationsというランチャアプリケーションで表示されるアプリケーションアイコンをタップ
・アプリケーションの切り替えは、Applicationsランチャアプリケーションに切り替えて、そこに表示されるアプリケーションアイコンをタップ
・アプリケーションの終了は、Applicationsランチャアプリケーションに切り替えというか、他のアプリケーションへの切り替え

マイクロソフト社は、このPalmOSの挙動をWindowsCEプラットフォームで真似たかったんじゃないかと思います。
たしかに、Palm-sized PC,PockecPC,WindowsMobileでは、アプリケーションの操作について基本的に次の操作によるような仕掛けにしています。

・アプリケーションの起動はスタートメニューのアイコンをタップ
・アプリケーションの切り替えはスタートメニューのアイコンをタップ
・アプリケーションの終了はスタートメニューの他のアプリケーションのアイコンをタップ

この操作ポリシーにより、WindowsCEカーネルは、一度起動したアプリケーションは実行メモリ上に展開しますから、他のアプリケーションへの切り替えも、本質的にはPalmOSと同じといえます。
ただ、PalmOSWindowsCEは、アプリケーションのインストールされるストアが異なります。
PalmOSは基本的には最初から実行メモリに展開されることによってインストールされます。ファイルという概念はそもそもPalmOSには基本的にはなかったはず。
だから、PalmOSでは、実行メモリ容量を超えるアプリケーションのインストールが、基本的にできなかったような(アプリケーションそのもののサイズが小さい)。
一方、WindowsCEは、基本的には他の一般的なOSと同じく、"ファイル"と"ディレクトリ"から構成されるファイルシステムを採用していて、ファイルシステムに実行ファイルを格納することでインストールされます。他の一般的なOSとWindowsCEが違うのは、このファイルシステムがHDDかメモリかというだけですよね。
だから、WindowsCEでは、当然ながら、実行メモリ容量を超えるアプリケーションのインストールができます。
なので、WindowsCEでは実行メモリ容量以上にアプリケーションが起動しようとすると、素のWindowsCEでは「実行できない」というのかな?最近素のWindowsCEさわってないから、最近はどうか分かりませんが、WindowsCE2ぐらいまではそうでしたたしか(カシオペアA-51なつかし!)
ところが、Palm-sized PC,PckecPC,WindowsMobileは、基本的にPalmOSの挙動を真似るようなGUIになっているため、実行メモリ容量以上にアプリケーションが起動しようとするときに、無理が生じてきます。
こんな時には、これらOSでは、バックグラウンドに回ったアプリケーションを自動的に終了させ、実行メモリの回収を行うようです。
よくできたPalm-sized PC,PckecPC,WindowsMobileのアプリケーションは、OSによる自動終了処理時には、編集中のファイルを自動的に一時保存し、再度アプリケーションが立ち上がったときに一時保存されたファイルを読み込んで、あたかもOSにより終了させられなかったかのように振る舞います。
これは、マイクロソフト社純正のWordMobileで実際に体験したことがあります。
いや、マイクロソフト社によるPalm-sized PC,PckecPC,WindowsMobileでのアプリケーション処理ポリシーはずっと一貫していて、舌を巻くほどです。
しかしながら、WindowsCE自体、複数のアプリケーション起動でOS自体が挙動不安定になったり、バックグラウンドでのアプリケーション終了処理に少々不安なところがあったりして・・・
マイクロソフト社の手のひらOSに対するポリシーは思う存分思い知らされたけど、結局そのポリシーによってユーザーはちょっと迷惑を被ったりしているわけです。
マイクロソフト社も少し自信がなかったのか、だからこそというか、
スタート-設定-システム-メモリ-実行中のプログラム
画面がWindowsMobile5になっても残ってるのかなぁ、とか思ったり。
ちょっとどうにかしてください、と思わずにはいられないわけです。
だって、Windowsですよ!PalmOSじゃないんですから!
手のひらOSだってもう少し素直な作りにしてくれても良いじゃない、っていつも素直に思う毎日です。
:
:
前段が長くなりましたが、マイクロソフト社のポリシーに翻弄されるユーザーとWindowsCEカーネルのために、様々なアプリケーションマネージャ、タスクマネージャ(の方が一般的な呼称ですね)があります。
私もいろいろ試してきましたが、メモリ常駐タイプはすでにW-ZERO3 UtilityPlusが常駐しているし(これはもうはずせない体)、メモリ常駐型タスクマネージャはOSを不安定にすることも多いです。
というわけで、メモリ非常駐型タスクマネージャのYTaskMgrを利用しています。
作者が推奨するように、W-ZERO3[es]の画面回転ボタンに割り当てています。
もう私はこのボタンはタスクスイッチボタンであって画面回転ボタンではないです。
画面回転ボタンを押すと起動アプリ一覧がコンパクトに表示され、カーソルキーで選択し、アクションボタンを軽く押せばそのアプリに切り替わり、アクションボタンを長押しすればそのアプリは終了します。
何もかもいやになってまっさらにしたい気分になったときには
タスク一覧-すべて閉じる
で一気にすべてのアプリを終了できます。
なんかおかしいな、ちょっと重いな、WindowsCEカーネルがネヲアゲテいそうだな、と思ったときに効果的です。
動作がいくぶん軽やかになります。
どうにもならないときは、YTaskMgrでソフトリセットもできます。
あと画面の明るさや音量も変えられたり。
ランチャ機能もあります(ランチャとしては利用してないです)。
いや本当に便利です。
もともとW-ZERO3[es]でアプリボタンが少なくなったことをきっかけで作者様はこのソフトを開発されたそうですが、便利なので、初代W-ZERO3でも利用しています。
YTaskMgr
http://www31.ocn.ne.jp/~yoshio2/ytaskmgr-1.html